東京地方裁判所 平成3年(特わ)2733号 判決 1992年6月11日
本店所在地
東京都武蔵野市中町一丁目七番七号
株式会社やまばん
(代表者代表取締役 田中康祺)
本籍
東京都三宅島三宅村阿古一五四四番地
住居
同都世田谷区太子堂三丁目一九番一一号 クラウンホーム二〇三号室
会社役員
田中康祺
昭和一五年四月一一日生
主文
被告人株式会社やまばんを罰金三、五〇〇万円に、被告人田中康祺を懲役一年六か月に処する。
被告人田中康祺に対し、この裁判の確定した日から三年間刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人株式会社やまばん(平成元年八月一日以前の商号は、山判建設株式会社、以下、「被告会社」という。)は、東京都武蔵野市中町一丁目七番七号(同日以前は、同都中野区東中野一丁目五一番一一-四〇二号)に本店を置き、不動産売買及び仲介等を目的とする資本金一、二〇〇万円(同年九月一日以前は五〇〇万円)の株式会社であり、被告人田中康祺(以下、「被告人」という。)は、被告会社の実質的経営者(平成三年二月一日以降は代表取締役)としてその業務全般を統括していた。被告人は、被告会社の業務に関し、その法人税を免れようと考え、不動産の売買に当たり架空の違約金を計上するなどの方法により所得の一部を隠して、昭和六一年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二億八、一三七万九、三〇一円で、課税土地譲渡利益金額が二億五、五八八万二、〇〇〇円であった(別紙1修正損益計算書参照)のに、昭和六二年二月二八日、同都中野区中野四丁目九番一五号にある所轄の中野税務署において、税務署長に対し、その所得金額が二、四一七万七一一円、課税土地譲渡利益金額が四五五万二、〇〇〇円で、これに対する法人税額が九七八万九、八〇〇円であるという虚偽の内容の法人税確定申告書(平成四年押第四四八号の1)を提出した。そして、そのまま法定納期限を経過させた結果、この事業年度における正規の法人税額一億七、一四二万七、三〇〇円と申告税額との差額一億六、一六三万七、五〇〇円(別紙2税額計算書参照)を免れた。
(証拠)
1 被告人の
<1> 公判供述
<2> 検察官調書三通
2 堀内良一(二通)、田中誠基(二通)、梅澤博保、小野誠治の検察官調書
3 調査書七通
4 電話聴取書
5 商業登記簿謄本二通
6 法人税確定申告書一袋(平成四年押第四四八号の1)
(法令の適用)
罰条
被告会社について 法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(情状による)
被告人について 同法一五九条一項
刑種の選択
被告人について 懲役刑
刑の執行猶予
被告人について 刑法二五条一項
(出席した検察官蝦名俊晴、弁護人松原譲)
(裁判官 朝山芳史)
別紙1
修正損益計算書
<省略>
別紙2
税額計算書
<省略>